秋山兄弟生誕地

1 月11日(土) 秋山好古生誕161年祭

令和 2 年(2020)1月 11日休日、 161年前の安政6年1月7日に生まれた秋山信三郎好古の生誕祭が、秋山兄弟生誕地において行われました。信さんは、ここで「あるいは米を搗き、あるいは山へ薪をとりにいき、夜は銭湯の掃除番」などと苦辛を重ねつつ学問をして育ちました。

式典後の記念に――来賓の方々と常盤同郷会柔道部・合気道部員・同郷会役員

秋山好古は、陸軍での使命を全うする一方、故郷松山の青少年育英のためにも尽力しました。(仏から帰国直後に常盤会世話係、明治末から 4 年間は常盤会寄宿舎監督、 1920 年代には松山同郷会の会長と合せ、現役引退後は私立北予中學校長に)
  そんな好古さんに想いを寄せ、生誕祭に次のような方々が、御参列下さいました。

○ 愛媛県知事中村時広様代理 愛媛県スポーツ・文化部長 高石 淳 様  (御祝辞を頂戴しました)
○ 松山市長 野志克仁様代理 副市長 北澤 剛 様                 (同上)
○ 秋山好古曽孫(故哲兒様長男) 秋山 健 様(御挨拶)
○ 好古孫 故秋山哲兒様夫人 秋山 美恵子 様 
○ 山下亀三郎孫 山下眞一郎様・洋二郎様御兄弟と御子息
○一般財団法人 豫山会会長  河野 芳久 様
                                       (以上東京都より)

○ 松山市坂の上の雲ミュージアム館長  松本 啓治 様 ○ 松山北高等学校校長  長井 俊朗 様
○ 松山東高等学校校長  村上 敏之 様         ○ 松山市立勝山中学校校長 笹本 太三郎 様
○ 愛媛大学法文学部教授 シン 東風 様        ○ 愛媛万葉苑 常任理事 藤原 茂 様
○ 山下亀三郎翁を偲ぶ会会長・清家磯晶様・山下重蔵様 他山下亀三郎翁を偲ぶ会ご一同 20 名様(宇和島) ○ 松山白鷺ライオンズクラブ会長 宇都宮吉則 様    ○ 他 左記各団体等所属の有志の方 
○ 常盤同郷会評議員、理事、監事一同  18 名     ○秋山兄弟生誕地研究員  10 名
○ 常盤同郷会の柔道部・合気道部員と縁者全 43 名 並びにその保護者ご家族
○ ネッツトヨタ瀬戸内㈱水軍太鼓チーム
○ 歩行町二丁目ほかの御近所様ご家族 その他お志の方々

↑この道場(会場建物)は、始め御幸寺山腹にあったのを、焼土から戦後復興途上の 4 年目( 1949 年)に、ここ松山同郷会(真之らが創り好古も会長を務む)の地に愛媛県関係者の尽力で移築されてきたものです。それはその 12 年前(好古没後 7 年)、松山同郷会が秋山兄弟生家の保存伝承のため、西隣のここに移転して来ていたからです。当時、同郷会員の青少年は学校帰りにほぼ毎日柔道に通い勉強をして心身を鍛えていました。

  好古没後 90 年でもあるこの式典にあたり、主催者を代表し常盤同郷会山崎理事長より、特に稽古始めの常盤同郷会柔道・合気道部の少年部員に向けて次のような話がありました。 「道場の左上の扁額(↑写真の左上)は好古さんの書。この『質実剛健』は、今こんなにも豊かで便利な時代にどうなるのか、ありうるのか。想えばこの道場に通っている諸君は、今すでにそれを生活に入れて少し実践している。さらにそれぞれの身に照らし、各自の生きる場の中でこれは使うが、これはいらない、そういう質実な各自の何か一本を編み出していこう。」と。

2020 年の稽古始へ、ネッツトヨタ瀬戸内水軍太鼓チームによる『出陣の曲』

柔道部の稽古始め

合気道部の稽古始め

稽古が終わると餅つき大会。弟淳五郎が生まれた時、 9 才だった信さんと同じ年頃の子供たちも、大いに杵をふるいました。もち米は二斗、吉田町山下家がおくって下さいました。

  それを、早朝から釜に火を入れて蒸すのは道場の指導者や保護者。そして部員の子供たちや来賓、希望者で、ついてはこね、いったい何臼ついたことか。搗き上がったもちをほどよくちぎり、まるめるのは秋山兄弟生誕地女性研究員や合気道保護者(↑いちばん上の写真)。

  しろもちあんもち、みんなでいただきながら、偶々この日来訪した遠来の方御家族とも分け合い、庭のあちこちで出会った者同志、歓談いたしました。互いに生誕祭がこうしてできることに感謝の一日でした。

故秋山哲兒さん書の『秋山兄弟生誕地』門札のそばにて―奥様美恵子さんと長男健さん―

松山空襲で焼失した秋山兄弟生家が、 2005年に全国の方々からの募金によって 60 年ぶり復元の節、その準備中に秋山好古の長男の子息秋山哲兒さんに出会いました。その折『秋山兄弟生誕地』の門札を書いてくださいました。以来、数々の情報や展示品を松山に寄せて頂き、生誕祭などには東京から奥様とともに親しく来訪されていたのですが(→ 2013年1月ニュース)、昨年10月2日、満88歳で天国に旅立たれました。

 今年は、故人を偲び御遺志に伴うかのように奥様と長男の健さんが、生誕祭にお出で下さいました。 故人となった方々の志と全国の方々の兄弟に寄せる思いを胸に、これからもずっと「秋山兄弟生誕地」を守り伝えて参りたいと存じます。